
教員は年収1000万円稼げるの?




小学校教員のお給料っていくら貰えるのかな…
みなさんの中にも、教員ってどれくらい年収や給料がもらえるのか、将来年収は増えていくのかなど、お金に関する悩みをもつ人も多いのではないでしょうか?
年齢を重ねるたびに、結婚や子育て、親の介護などでライフステージが変わり、お金に関する悩み事は尽きないですよね。
私も小学校教員として働いていたころ、このまま自分の年収はどうなっていくのだろうと漠然とした不安がありました。
そこで今回は、小学校教員の年収の実態について詳しく解説し、みなさんの収入面に関する悩みを解決していきたいと思います。
- 小学校教員は年収1000万円実現可能か?
- 年齢・役職別 小学校教師の年収について
- 年収を上げるための具体的な方法
それでは、実際に見ていきましょう。
小学校教師が年収1000万円に到着することは可能か?



【結論】小学校教師が年収1000万円を達成することはかなり難しい!
小学校教師が年収1000万円を目指すことは、正直に言ってかなり難しいです。
なぜなら、たとえ校長になったとしても年収はおよそ800万円~900万円くらいだからです。
ものすごく若いうちから管理職になったり、私立学校で働いたりしない限り、年収1000万円到達することは難しいと言えるでしょう。




教員で年収1000万円は相当ハードルが高いんだね…
小学校教師の平均年収



それでは小学校教師の平均年収はいくらなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
小学校教師の平均年収は?
総務省の「令和5年地方公務員給与実態調査」によると、小学校教師の平均年収は約648万円でした。
転職サービス「doda」の調査によると、2024年の民間企業の平均年収が426万円であることから、小学校教師の平均収入はかなり高いと言えます。




教師は一般的にみると高収入だね!
【年齢別】平均年収の内訳
令和4年地方公務員給与の実態によると、小学校教師の年齢別の平均年収は以下の通りになります。
年齢 | 月額支給額 | ボーナス | 年収 |
23~24歳 | 22万5837円 | 101万6226円 | 372万6270円 |
26~28歳 | 24万8105円 | 111万6473円 | 409万3733円 |
30~32歳 | 29万4663円 | 132万5984円 | 486万1940円 |
35~40歳 | 37万5695円 | 169万0628円 | 619万8968円 |
41~45歳 | 40万3141円 | 181万4134円 | 665万1826円 |
46~50歳 | 42万0998円 | 189万4491円 | 694万6467円 |
51~55歳 | 43万0079円 | 193万5356円 | 709万6304円 |
このデータから、小学校教師は年齢が上がるほど、年収も高くなっていくことが分かります。
教職の給与は年功序列の要素が強いので、経験年数を重ねていけば、自動的に年収も上がっていきます。




経験年数と年収は比例関係!
しかし、表を見てわかる通り、50歳以上になっても年収1000万円には到達しないことが分かりました。
役職による給与の違い



それでは、校長や教頭などの管理職に就いた場合、年収はどうなるのでしょうか?
【役職別】月額給与の平均額
役職 | 月額平均給与 |
校長 | 44万7500円 |
教頭 | 42万6300円 |
主幹教諭 | 40万2000円 |
教諭 | 30万8200円 |
引用:学校教員統計調査 43 給料月額別 職名別 教員構成(平均給料月額) | データベース | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
校長や教頭、主幹教諭などの役職に就くと、月の給与額も10万円以上アップします。
定年までずっと教諭のままだった場合と、管理職などの役職に就いた場合とでは、年収の差が大きく開くことは一目瞭然です。




管理職は大変だけど、給与額は多くていいね!
【役職別】平均年収額
〈年収の計算方法〉
(月額平均給与+管理職手当)× 12ヶ月分 + ボーナス(期末・勤勉手当)
また、これらの金額は以下のような計算方法で算出しています。
- ボーナス:月額平均給与×4.5か月分
- 管理職手当:校長104,500円
教頭80,700円
(東京都を例にしている)
役職 | 平均年収 |
校長 | 863万7750円 |
教頭 | 800万2350円 |
主幹教諭 | 663万3000円 |
教諭 | 508万5300円 |
※扶養手当、通勤手当、住居手当などは含めていません。
上記の結果から、校長になっても、年収1000万円には到達しないということが分かりました。
しかし、校長・教頭になると管理職手当というものがつくため、何も役職につかない場合と比べると、年収は大きく上がります。




校長になっても届かないのね…
最短で管理職になった場合の年収
それでは最短で管理職に就いた場合の年収はどうなるのでしょうか?
東京都の場合、以下の年齢のときに最短で昇任することができます。(23歳で新採用の場合)
役職 | 年齢 |
校長 | 43歳 |
副校長 | 39歳 |
主幹教諭 | 33歳 |
主任教諭 | 31歳 |
では、43歳で校長になった時の月給や年収はどうなるのでしょうか?
月給
=給料表額+教職調整額+管理職手当+地域手当
- 43歳校長(6級21号)
- 給料表額:432,000円
- 管理職手当:104,500円
- 教職調整額(月給の4%):17,280円
- 地域手当(給料表額+管理職手当+教職調整額の20%):110,756円
これらを全て合計すると、月給66万4,536円です。
年収=月給×12カ月+ボーナス(月給4.5カ月分)
- 月給×12か月:797万4,432円
- ボーナス:299万412円
これらを全て合計すると、年収827万3,844円です。




43歳の時点でこれはすごい!



引用:東京都の教員の給与と年収を解説【詳細版】 | 税理士による経営者のお悩み解決相談
こちらのサイトの計算によると、43歳で校長になり、そのまま定年まで働いた場合、60歳時で年収1,130万円になると予想されています。
年収1000万円を目指すのであれば、最短ルートで管理職になるのが一番有効かもしれません。
教員の給与は高いのか?低いのか?



小学校教員は年収1000万円には届かないものの、一般的に見ると、年収は高いように思われます。
しかし、仕事量と給与を比べた時に、果たして本当に給与が高いと言えるのでしょうか?
業務量の多さ
教員の給与は一定の安定性を提供するものの、その業務量は膨大です。
授業をすればいいだけでなく、生徒指導や保護者との連絡、学校行事の計画・運営、事務作業など挙げたらキリがないほど仕事量は多いです。
また、いくら残業をしても残業代は出ず、月給の4%の「教職調整額」という手当がつくだけです。
仕事が終わらず、長時間労働・土日出勤している先生も多いため、「業務量と給与が見合っている」とは言い切れないというのが現状です。




教職調整額がアップすることに期待!
精神的負担
教師の仕事は、膨大な業務量のゆえ、精神的なストレスを抱えやすい職業です。
児童や保護者の対応、職員同士の人間関係、地域とのコミュニティーなどあらゆるところに気を遣わなければなりません。
そういった精神的負担が大きい仕事であることを考えると、給与に見合っているかどうかは改善の余地があると言えるでしょう。




ストレスの多い職場だからね…
教員の年収を上げるための方法とは?



昇給することを目指そう
教員を続けていくうえで、年収を上げるためには校長や教頭といった管理職の役職に就くことが一番の近道でしょう。
それぞれの役職に就くためには以下のような条件があります。
【校長】
・教員経験年数10年以上(県によって異なる)
・教頭の役職を経験している
・校長試験を受けて合格する
・学校行政に関する知識をもつ
・リーダースキルを身に付ける
【教頭】
・教員経験年数10年以上(県によって異なる)
・教頭試験に合格する
・主幹教諭を経験している
【主幹教諭】
・教員経験数年以上(県によって異なる)
・主任教諭経験が必要
・主幹教諭試験に合格する
手当を活用しよう
収入を増やすために手当を活用する方法もあります。
教員の手当は以下のようなものがあります。
- 教職調整額
- 義務教育等教員特別手当
- 給料の調整額
- へき地手当
- 産業教育手当
- 定時制通信教育手当
- 地域手当
- 期末・勤勉手当
- 扶養手当
- 住居手当
- 教員特殊業務手当
引用:東京都教育委員会
これらの手当ては必ずしも全員がもらえるわけではないので、自分が手当の対象に当てはまっているか各自でよく確認しましょう。
転職を考えよう
もし、年収1000万円を目指しているのであれば、教員ではなく民間企業に転職するのもアリです。
特に若いうちは教員の年収は低く、労働時間に見合った給料ではないと感じる人もいるかもしれません。
民間企業であれば、若いうちから高い年収をもらえる企業もありますし、副業で稼ぐという方法もあります。
転職しようか迷っている人は、以下の記事をぜひ参考にしてみてください↓



まとめ
いかがだったでしょうか?
結論、小学校教師が年収1000万円を達成することは難しいということが分かりました。
年収は1000万円いかないものの、安定した一定性のある収入が入ってきますし、福利厚生も手厚いので、収入面では他と比べて教員の仕事は良いと思います。
収入と業務量が見合うように、自分なりに業務改善をしてみたりストレス対処法を考えてみたりするのもいいでしょう。
この記事が教員の皆さんの少しでも役に立てたら嬉しいです。