「もう教員を続けるべきではないのかな…」
「このまま教職に留まっていて、本当に良いのだろうか…」
こうした想いを抱いている教員の方々は、決して少なくないでしょう。特に、熱意を持って教壇に立ち、生徒たちのために日々奮闘している優秀な教員の方々こそ、このような悩みを抱えやすいのが現状です。
近年、教育現場を取り巻く環境は大きく変化し、教員の仕事はますます複雑化・多様化しています。長時間労働、増大する業務量、社会からの高い期待と責任…。このような要因が重なり、多くの優秀な教員が離職を考えるようになっています。
しかし、教員を辞めることは、必ずしもキャリアの後退を意味するわけではありません。むしろ、新たな可能性への扉を開くきっかけになるかもしれません。
今回は、優秀な教員が辞める理由を掘り下げながら、教員としてのキャリアを見直すためのヒントをお伝えします。あなたの持つ能力や経験が、教育の枠を超えてどのように活かせるのか、そして、教育に携わりながら新たなキャリアパスを築く方法について考えていきましょう。
教員としての経験は、決して無駄にはなりません。それどころか、社会の多くの場面で活かせる貴重なスキルと知識の宝庫なのです。このことを念頭に置きながら、あなたの未来のキャリアについて一緒に考えていきましょう。
優秀な教員が辞める理由
優秀な教員が教職を離れる理由は複雑で多岐にわたります。
教育現場を取り巻く環境の変化
近年、教育現場を取り巻く環境は急速に変化しています。これらの変化は、教員の業務内容や負担に大きな影響を与えています。
業務の多様化
教科指導だけでなく、生徒指導、保護者対応、部活動指導、校務分掌など、教員の業務は年々増加・多様化しています。本来の教育活動に専念する時間が減少し、多くの若手教員がストレスを感じています。
社会からの期待と責任の増大
学力の向上だけでなく、SNSのいじめ問題や教育に対する社会の期待と要求は年々高まっています。これに伴い、教員の責任も増大し、精神的なプレッシャーが大きくなっています。
教員の意識の変化
教員自身の価値観や働き方に対する意識も、離職の要因となっています。
ワークライフバランスの重視
長時間労働が常態化している教育現場に対し、私生活との両立を求める声が高まっています。特に若い世代の教員を中心に、ワークライフバランスを重視する傾向が強くなっています。
キャリアの多様性への憧れ
教職以外の職業や働き方に興味を持つ教員が増えています。時代の流れとして副業や転職が当たり前の時代に教員と民間企業のギャップはどんどん大きくなってきています。SNSの普及により、教員以外の職業がキラキラして見えたり、フリーランスとして独立をしたり企業をしたりする若者が多くなってきているのも大きいです。
自己実現の欲求
優秀な教員ほど、自身の能力をより発揮できる環境や、新しい挑戦の機会を求める傾向があります。教職の中でそれが難しいと感じた場合、転職を考えるきっかけになることがあります。
将来性への不安
定年後のキャリア
自分は教員のまま一生を終えてしまうのか?定年退職をした教員の多くは非常勤や再任用教員としての道しか残されていないことが多く、人生100年時代の現代において、教員だけの人生をリスクに感じる教員も一定数います。実際に私も強く感じていました。
教員としてのキャリアアップが絶望的
教員からキャリアアップをしたところで、最終的には管理職になるしかありません。職員室で誰よりも働いている副校長を間近で見てきた私は、昇進しても副校長みたいになるのか…と絶望したことがあります。
次では、教員を辞めるべきかどうかを判断する基準について考えていきます。
教員を辞めるべきか判断する基準
教員を辞めるかどうかは、個人の状況や価値観によって大きく異なります。
自己評価:適性と能力の再確認
まず、教員としての自分の適性や能力を客観的に評価することが重要です。
教育への情熱
教育に対する情熱は依然として強いですか?生徒の成長を見ることに喜びを感じていますか?この情熱が失われつつあると感じるなら、その理由を深く掘り下げる必要があります。
スキルと強み
自分の持つスキルや強みは、教育現場で十分に活かされていますか?また、それらのスキルは他の職種でも活用できるものでしょうか?自身の能力を最大限に発揮できる環境を考えることが大切です。
成長の実感
教員としての日々の業務を通じて、自身の成長を実感できていますか?新しい知識やスキルを習得する機会は十分にありますか?成長の実感が得られないと感じる場合、その原因が環境にあるのか、それとも教職そのものにあるのかを見極める必要があります。
キャリアビジョンの明確化
将来のキャリアについて、明確なビジョンを持つことも重要です。
長期的な目標
5年後、10年後の自分はどのような立場にいたいですか?その目標は教職の中で達成可能ですか?それとも、別のキャリアパスを考える必要がありますか?
社会貢献の形
教育を通じての社会貢献に魅力を感じていますか?それとも、別の形で社会に貢献したいと考えていますか?教育に携わる方法は教員以外にもあることを念頭に置きましょう。
キャリアの多様性
同じ環境で長く働くことに満足していますか?それとも、様々な経験を積みたいと考えていますか?教職は比較的安定していますが、その分、経験の幅が限られる可能性もあります。
ワークライフバランスの考慮
仕事と私生活のバランスも、重要な判断基準の一つです。
労働時間
現在の労働時間に満足していますか?残業や休日出勤が多く、私生活に支障をきたしていませんか?改善の見込みはありますか?
ストレスレベル
仕事によるストレスは適度なものですか?それとも、心身の健康に影響を及ぼすほどのストレスを感じていますか?ストレスの原因が一時的なものか、構造的なものかを見極めることも大切です。
プライベートの充実
家族との時間や自己啓発の時間は十分に確保できていますか?教職以外の活動や趣味に取り組む余裕はありますか?ワークライフバランスは個人の価値観によって大きく異なるため、自分にとっての理想的なバランスを考えることが重要です。
このような基準を総合的に考慮し、自身の状況を客観的に分析することで、教員を続けるべきか、それとも新たなキャリアを模索すべきかの判断材料になるでしょう。
教員から転職する際の選択肢
教員を辞めて新しいキャリアを模索する際、多くの選択肢があります。ここでは、教員の経験やスキルを活かしやすい3つの主要な方向性について詳しく見ていきましょう。
教育関連企業への転職
教育に関わり続けたい、でも学校以外の環境で働きたいという方にとって、教育関連企業は魅力的な選択肢です。
塾・予備校の講師
教員としての経験を活かして授業に専念していきたいという方は、塾や予備校の講師として転職をするのは一つの選択肢です。
オンライン家庭教師
コロナ禍より注目を集めているのはオンライン家庭教師です。教員を辞めて業務委託としてフリーランスのような立場で働くことにはなりますが、自分のオリジナル授業ができるので学校や塾の方針にモヤモヤしている人はオススメです。非常勤講師として学校で働きながらオンライン家庭教師をやる方も増えています。
民間企業への転職
教員経験を活かしつつ、ビジネスの世界で活躍できる職種として、無形商材の法人営業がおすすめです。特に以下の3つの業界が注目です。
IT業界(特にSaaS系)の法人営業
- 教育現場でのICT活用経験が活きる
- 論理的説明力や企画力が評価される
人材業界の法人営業
- 人材育成や教育に関する知識が強み
- コミュニケーション能力や人間理解力が活かせる
広告業界の法人営業
- 創造力や企画力が求められる
- プレゼンテーション能力が重視される
▼教員から転職したいという方はこちら▼
教員のキャリアを見直すためのステップ
教員としてのキャリアを見直し、新たな可能性を探るのは大きな挑戦です。しかし、適切なステップを踏むことで、より効果的にキャリアの転換や発展を図ることができます。ここでは、教員のキャリアを見直すための具体的なステップを紹介します。
自己分析と目標設定
まず最初に行うべきは、自分自身をよく知り、将来の目標を明確にすることです。
強みと弱みの分析
- 自分の得意なこと、苦手なことをリストアップしましょう。
- 過去の成功体験や失敗経験を振り返り、そこから学んだことを整理します。
- 周囲の人(同僚、生徒、家族など)に自分の長所や短所について意見を聞くのも有効です。
価値観の明確化
- 何を大切にしたいか、どのような生活をしたいかを考えます。
- 仕事に求めるものは何か(社会貢献、経済的安定、自己実現など)を明確にします。
キャリアゴールの設定
- 5年後、10年後にどのような立場にいたいか、具体的にイメージします。
- 短期的な目標と長期的な目標を分けて考え、段階的な計画を立てます。
- 目標は具体的で測定可能なものにしましょう。
教員を続けながらスキルアップへ
私が実際にやっていたことを紹介します。
SNSで発信をしてみた
私自身、最初はX(旧Twitter)での発信から視野が広がっていきました。フォロワーを増やすためにバズる投稿を考えたり、教員同士で繋がることで、様々な意見に触れ、新しい視点を得られるました。もちろん匿名で身バレしないように気をつけてはいました。
noteやブログを始めてみた
実は、この「ゆとり転職」というブログは私が教員時代に始めたものなんです。えっ?転職もしてないのに転職ブログを始めたの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、当時は転職活動の記録としてスタート、今では副業として収益を上げられるレベルになりました。noteでは教育について発信をしていましたが、これが自分の考えを整理し、新しい知識を得るきっかけになりました。
ビジネス書を読んでみた
ビジネス書や自己啓発本は考えを変えるきっかけになるかもしれません。私も今までは教育に関係する本ばかり読んでいたのですが、ビジネス書を読んだことで新しい視点が得られました!
私が一番最初に買ったビジネス書も載せておきますね!
もしも読んだことがない人がいたら是非!私は紙で読みました!
資格取得にチャレンジする
私自身、TOEICの勉強をしたり、簿記2級を取得したりしました。特に簿記2級は取って本当に良かったです!
転職をする時は資格としても強いですし、何より勉強したことが今でも活きまくってヤバイです!
もし何から始めればいいか分からないという人がいれば簿記3級から勉強を始めるのはオススメです!
この参考書がオススメです!
プログラミングや動画編集のスクールに入ってみる
私は教員時代に本の要約YouTubeを顔出ししないで始めてみました。これが、ITスキルを学ぶきっかけになりました。プログラミングスクールに通うのも良いと思います。
私も今教員に戻るなら、プログラミングを学んで、将来の転職や副業の可能性を広げるかなと思います。
私が視野を広げるきっかけとなった元祖ビジネス系YouTuberである「マコなり社長」
マコなり社長に触発されて、ブログ、資格取得にも興味を持ち始めたんです。
もし、資格取得よりももっとガッツリスキルを高めていきたいという方はマコなり社長が作った「未経験から学べるエンジニアスクール【テックキャンプ】」というプログラミングスクールがオススメです!
自分らしいキャリアを築くための第一歩として、是非参考にしてみてください!
まとめ:優秀な教員は視野を広げている
これまで、教員のキャリアの選択肢についてみてきました。
教員としてのキャリアを見直すことは、決して「教育を捨てる」ことではありません。むしろ、教育で培った経験と情熱を、新たな形で社会に還元する機会だと捉えることができます。
変化は常に不安を伴いますが、同時に大きな可能性も秘めています。自身の価値を信じ、新しい挑戦に踏み出す勇気を持つことで、より充実したキャリア、そして人生を築くことができるでしょう。
教育者としての経験は、あなたの人生の貴重な財産です。それを活かして、新たな舞台で輝く未来を切り開いていってください。あなたの次のステージが、さらなる成長と幸せにつながることを心から願っています。
今回は以上になります!
ありがとうございました!