「教職員共済と公立学校共済って、どう違うの?」
「共済制度って、本当に必要なの?」
私も以前は教員として働いていましたが、正直なところ、共済制度にはあまり関心がありませんでした。
給与から天引きされる保険料の存在は知っていても、その中身については深く考えたことがなかったのです。
しかし、キャリアを見つめ直す機会があり、改めて共済制度について調べ始めたとき、その重要性に気づかされました。
共済制度は単なる保険ではなく、教職員の生活を支える大切な基盤だったのです。
例えば、突然の病気やケガ、あるいは将来の老後の生活。私たち教職員も、人生のさまざまなリスクと無縁ではありません。そんなとき、頼りになるのが共済制度なのです。
今回は、教職員共済と公立学校共済の違いを分かりやすく解説していきます。
それぞれの特徴や加入条件、給付内容はもちろん、ライフステージに応じた選び方や、民間の保険との比較まで、幅広く取り上げていきます。
共済制度について理解を深めることは、教員としての今後のキャリアを考える上でも、きっと役立つことでしょう。
公立学校共済の特徴
公立学校共済って何?
簡単に言えば、公立学校共済は公立学校の先生たちのための健康保険です。
正式名称は「公立学校共済組合」といいます。
日本では、誰もが何らかの健康保険に入ることになっていますよね。
会社員なら健康保険組合、自営業の人なら国民健康保険…といった具合です。
その中で、公立学校の先生が入るのが、この公立学校共済なんです。
加入すると「組合員証」というカードをもらえます。これが、病院に行くときに使う保険証の役割も果たします。
どんなことをしてくれるの?
公立学校共済の主な役割は大きく分けて三つあります。
- 短期給付
これは主に医療保険の部分です。病気やケガで病院に行ったとき、出産したとき、不幸にも亡くなったときなどに給付を受けられます。 例えば、病院で診察を受けるとき、皆さんは費用の3割だけ支払いますよね。残りの7割は、実はこの公立学校共済が負担してくれているんです。 - 長期給付
これは主に年金の部分です。退職後の生活を支える退職年金や、もし障害が残ってしまった場合の障害年金などがあります。 - 福祉事業
健康診断や人間ドックの補助、住宅ローンの融資、保養所の運営なども行っています。全国に8つの病院も運営しているんですよ。
気をつけるべきポイントは?
公立学校共済からの給付には、自動的にもらえるものと、申請が必要なものがあります。
例えば、普通に病院で診察を受けるときは、組合員証を見せるだけでOKです。でも、出産費用や埋葬料をもらうときは、自分で申請する必要があります。
特に注意してほしいのが、申請には期限があるということ。給付を受ける理由が発生してから2年以内に申請しないと、もらえなくなってしまいます。ですので、「もらえるかも」と思ったら、早めに確認・申請することをおすすめします。
公立学校共済は、教員の皆さんの生活を様々な面でサポートしてくれる心強い味方です。健康面、経済面の両方で私たちを支えてくれています。
教職員共済の特徴
教職員共済とは何か
教職員共済は、簡単に言えば、教職員のための相互扶助組織です。
正式名称は「公立学校共済組合」といい、公立の小・中・高等学校や特別支援学校などに勤務する教職員を対象としています。
この制度の目的は、教職員とその家族の生活を守ることです。病気やケガ、老後の生活、そして不幸にも亡くなった場合の遺族の生活保障など、人生のさまざまなリスクに備えるための仕組みなのです。
私が教員だった頃を思い出すと、「明日の授業をどうしよう」「生徒指導はうまくいくだろうか」といった日々の業務に追われ、自分の将来の保障までは考える余裕がありませんでした。しかし、教職員共済は、そんな私たちの「今」と「未来」を支えてくれる大切な存在なのです。
教職員共済の提供する保障内容
総合共済(教職員賠償に備えたい)
総合共済は、月々900円の掛金で12種類の保障を提供する充実したプランです。
主な特徴
- 教職員賠償と個人賠償をカバー(最高3,000万円まで)
- 業務中も日常生活も安心
- 退職時には見舞金あり(契約期間1年以上)
12の保障内容
- 教職員賠償
- 個人賠償
- 火災
- 住宅災害
- 災害見舞
- 死亡
- 後遺障害
- 入院・休業
- 傷害
- 介護(傷害事故による)
- 遭難救助
- 退職
トリプルガード(病気・ケガに備えたい)
トリプルガードは、死亡、入院、特定の病気という3つの「もしも」に備える保障制度です。
特徴
- 「団体生命共済」と「医療共済」で構成
- 配偶者、お子さまも加入可能(組合員本人の契約が必要)
- 90歳まで契約更新可能
- 24時間電話健康相談サービス付き
自動車共済(自動車事故に備えたい)
教職員共済の自動車共済には、他にはない特徴があります。
- 事故有係数を使用した等級割引制度を採用していない
- すべてのコース・等級で「公務中の事故」は等級ダウンなし
その他の保障制度
- 火災共済(災害に備えたい)
- レスキュースリー(ケガ・賠償に備えたい)
- 新・終身共済(死亡・高度障害に備えたい)
- 年金共済(リタイア後に備えたい)
- 車両共済(愛車を守りたい)
教職員共済は、教職員の皆さんのライフステージやニーズに合わせて、様々な保障制度を用意しています。自分の生活スタイルや将来の計画に合わせて、適切な保障を選ぶことが大切です。
出典:教職員共済HP
教職員共済の保険料が割安な理由
教職員共済の大きな特徴の一つに、保険料の割安さがあります。これには幾つかの理由があります。
まず、教職員共済は非営利団体であるという点です。
教職員共済は、自分たち教職員の生活向上を目的とした組織であり、教職員相互の助け合いによって成り立っています。
組合員になれるのも、運営・利用も全て教職員のみです。
この非営利性により、民間の保険会社のように利益追求を目的としていないため、広告を出したり、多くの人を雇ったり、店舗を構えたりといった費用がかかりません。その分、保険料を安く抑えることができるのです。
また、教職員共済の保険商品はシンプルです。
複雑な特約や付加サービスを極力省いているため、運営コストを抑えられ、それが保険料の割安さにつながっています。
さらに、教職員という比較的健康的な生活を送る職業集団を対象としているため、リスク管理の面でも有利な点があります。これも保険料を抑える要因の一つとなっています。
教職員共済は、教職員の皆さんの生活を多方面からサポートする心強い味方です。日々の業務に忙しい中でも、たまには立ち止まって、自分の将来の保障について考えてみてはいかがでしょうか。
教職員共済と公立学校共済の違い
加入対象の違い
- 公立学校共済:公立学校の教職員のみ
- 教職員共済:公立、私立、国立大学法人の教職員、文部科学省職員など幅広く
保障内容の違い
- 公立学校共済:健康保険と年金が中心。生活全般をカバー
- 教職員共済:基本的な保障に加え、より柔軟な追加保障あり
保険料の仕組み
- 公立学校共済:給与から一定率で天引き
- 教職員共済:基本部分は同じ。追加保障は金額を選べる場合も
運営主体
- 公立学校共済:各都道府県の公立学校共済組合(公的組織)
- 教職員共済:一般財団法人教職員共済生活協同組合(民間の非営利団体)
どちらを選ぶ?
実は、選択の余地はあまりありません。公立学校の先生は自動的に公立学校共済に加入します。大切なのは、公立学校共済の基本保障を理解した上で、必要に応じて教職員共済の追加保障を検討すること。つまり、両方をうまく活用するという考え方が重要です。
ありがとうございます。それでは次のh2「共済制度以外の教職員向け福利厚生」について執筆を進めていきます。
共済制度以外の教職員向け福利厚生
教職員の皆さん、共済制度以外にも様々な福利厚生があることをご存知ですか?これらを上手に活用することで、より充実した教員生活を送ることができます。ここでは、特に重要な「互助会」と「その他の福利厚生制度」について解説します。
互助会について
互助会は、教職員の相互扶助を目的とした組織です。多くの場合、任意加入ですが、多くの教職員が参加しています。会費は通常、給与から天引きされます。金額は地域や規模によって異なります。
主なサービス
- 慶弔見舞金:結婚や出産、病気などの際に支給されます。
- 貸付制度:低金利で資金を借りられることがあります。
- レクリエーション支援:旅行や文化活動の割引などがあります。
その他の福利厚生制度
互助会以外にも、教職員向けの様々な福利厚生制度があります
住宅支援
- 教職員住宅:低廉な家賃で利用できる場合があります。
- 住宅手当:持ち家やアパート等の家賃に対して支給されることがあります。
メンタルヘルスケア
- ストレスチェックや相談窓口が設けられていることが多いです。
ぜひ、自分の勤務する学校や地域にどのような福利厚生があるか、確認してみてください。思わぬメリットが見つかるかもしれません。
まとめ:教員のキャリアを考える上での共済制度の重要性
私自身、教員生活を振り返ると、共済制度のおかげで多くの不安から解放され、生徒たちと向き合う時間を大切にできたと感じています。また、ライフステージの変化に合わせて保障を見直すことで、常に安心感を持って仕事に取り組むことができました。
あなたも、ぜひ共済制度について理解を深め、自分のキャリアプランに合わせて活用してください。
それが、より充実した教員生活につながり、ひいては質の高い教育の提供にもつながるはずです。
共済制度は、私たち教職員の「今」を支え、「未来」を築く重要な基盤なのです。
一人ひとりが自分に合った制度を選び、活用することで、より安心して教育に携わることができるでしょう。そして、その安心感が、子どもたちの未来を明るく照らす力になるのではないでしょうか。
今回は以上になります!
ありがとうございました!