
退職したいけど、どうすればいいのだろう?




いつ辞めるのがベストなの?
退職を考えている教員のみなさん、具体的にどう行動したらいいのか分からず、困っている人はいませんか?
私自身も教員を退職するとき、どのタイミングで退職するのがベストか、どういう手順を踏んだら迷惑がかからないのか、日々考えていて不安でした。
きっと私のように困っている先生方は多いはずです。
そこで今回は、教員の退職に関する具体的なタイミングや手順を解説し、退職に関するみなさんの不安や懸念を解消していきます。
- 退職のベストなタイミング
- 退職手続きの具体的な流れ
- 退職を円滑に進めるためのポイント
- 退職後のキャリア設計
教員の退職に適したタイミングとは
年度末(3月)退職のメリット・デメリット
- 引継ぎがしやすい
- 生徒や保護者への影響が少ない
- 異動の時期と重なるため、目立ちにくい
- 転職・再就職がしやすい
- 退職金の計算が有利になる場合がある
- 忙しい時期と退職準備が重なる
- 12月頃までに退職を決める必要がある
年度末の退職は、学校運営や生徒のことを考慮すると、比較的スムーズに行えます。退職金も満額もらえる可能性が高いです。
しかし、成績処理など年度末の忙しい時期と退職準備が重なるため、自分自身の負担が大きくなるデメリットもあります。
年度途中の退職は可能か
しかし、年度途中で退職する場合、以下のような点に考慮しなければなりません。
退職理由による取り決め
教員が年度途中に退職する場合、その理由が健康上の問題や家庭の事情などである場合、通常よりも柔軟に対応されることもあります。
しかし、自己都合での退職の場合、事前の通知期間や条件が厳しくなることがあります。
周囲の先生に辞める理由を極力丁寧に説明したほうが、円満に退職しやすくなります。




ただし、うつ症状などがある場合は、自分の命を優先に!
引継ぎをしっかりと行う
年度途中で退職する場合、退職前に生徒の引継ぎやを行わなければなりません。
できるだけ、生徒や保護者への影響を最小限にするために、成績データやクラスの雰囲気、授業の進捗状況など、できるだけ細かく引継ぎをするようにしましょう。
夏休み明けの退職について
夏休み明けに退職をしようと考えている人は、以下の点に注意しましょう。
退職の意思表示のタイミング
できるだけ早い段階で管理職に退職の意思を伝えましょう。公立校の場合は教育委員会への申請が必要な場合があるので、1~3か月前には伝えておきましょう。
業務の引継ぎ
夏休み中に業務や担任している生徒の引継ぎを行いましょう。しっかりと引継ぎをしておくことで、夏休み明けからスムーズに学校運営を再開することができます。
退職のベストタイミングを決める3つの要素
退職のベストタイミングを決める3つの要素は以下の通りです
- 学校や生徒への影響
- 引継ぎや業務の整理
- 自分自身のタイミング
①学校や生徒への影響
学期末や年度末(3月)に退職するのは最も自然で、生徒への影響も最小限に抑えられます。
夏休み明けや年度途中の退職は、生徒や同僚の先生方に不安を与える可能性があるため、事前にしっかりと説明することが重要です。




私自身も3月に退職しました
②引継ぎや業務の整理
学校側が後任を見つけやすい時期(年度末や学期末)に退職を申し出るとスムーズな引継ぎが可能ですが、昨今の教員不足の影響で後任の先生が見つからない可能性も考えられます。
退職する際は、誰に任せても大丈夫なように十分な引継ぎ期間が確保できるようにしておくとよいでしょう。
③自分自身のタイミング
転職を考えている人は、退職後の計画に合わせてタイミングを考えましょう。
また、教員はうつ病などの精神疾患により退職する人も多いです。
自分自身の命を守ることを第一優先にして、限界を感じる前に早めの行動を心掛けてください。




自分自身の体とよく相談してね
退職に伴うデメリットとリスク
教員が退職する際には、いくつかのデメリットとリスクがあります。
- 経済的リスク
- キャリアへの影響
- 精神的・身体的リスク
- 福利厚生の損失
経済的リスク
新たな職場がすぐに見つからない場合、収入が途絶える可能性があります。
特に年度途中での退職は次の就職先を見つけづらいため、ある程度の貯蓄は備えておいたほうがよいでしょう。
また、教員として長期間勤務するとこで得られる退職金や年金が、早期退職することにより減額される可能性があります。




私も教員から転職して、収入は減りました
キャリアへの影響
教員からの転職は他の職業と比べて、難しいと言われています。
特に歳を重ねれば重ねるほど、その難易度は上がります。
そのため、転職を考えている人は早めの行動を心がけ、計画的に退職後のライフプランを立てていきましょう。




情報収集を早めに行うといいよ
精神的・身体的リスク
退職に伴う手続きや同僚・生徒・保護者への説明など、多くの対応が求められ、精神的な負担が増すことがあります。
福利厚生の損失
教員は一般的に福利厚生が手厚く、充実していますが、退職することでこれらの恩恵を失う可能性があります。




私も退職して初めて、福利厚生の有難さに気付きました
教員の退職手続きの具体的な流れ
退職を申し出るタイミング
・年度末での退職の場合
→10月から12月まで
・年度途中での退職の場合
→できるだけ早めに
年度末での退職を希望する場合
多くの学校では、次年度の人事計画が10月頃から始まります。そのため、年度末での退職を希望する場合は、遅くとも12月までには意思を伝えたほうがよいでしょう。
年度途中での退職を希望する場合
年度途中での退職は、学校や生徒への影響が大きいため、早めの申し出が求められます。
一般的には退職の1か月前までに伝えることが目安とされていますが、可能であればさらに早く伝えることで、学校側も後任の手配や対応がしやすくなります。




ちなみに私は2学期の個別面談時に退職することを伝えたよ!
必要な手続きと提出書類
①校長や管理職への直接の申し出
まずは管理職に退職したい旨を直接伝えましょう。
その際には、退職理由や希望する退職時期を明確に伝え、円滑な引継ぎや後任の手配ができるようにしましょう。
②正式な手続き
退職の意思を伝えた後、正式な手続きとして「退職願」や「退職届」を提出する必要があります。
これらの書類の提出期限や形式は、自治体によって異なるため、各自でよく確認してください。
退職手続きの期限と注意点
退職届の提出期限は自分の所属する自治体や学校の規定をよく確認してください。
ですが、一般的には退職希望日の1か月前までに提出することが求められています。
また、退職する際は理由をしっかり伝えましょう。
もし、退職手続きに不安がある場合、退職代行サービスの利用も検討できます。
退職までのスケジュール例




実際に私が3月末で退職した際のスケジュールをお伝えします
校長に退職の意思を伝える
11月頃に行われた、教員評価会で個別に校長先生と面談する機会があったので、その時に「退職したいです」と伝えました。
私の場合、退職理由は結婚して県外に引っ越すことだったため、快く引き受けてくれました。
数日後、「形式上、この用紙に退職届を書くことになっているので書いてください」と言われ、退職届を書いて提出。




自分で退職届を用意して書くことはしませんでした
冬休みに入る前、職員会議終了後に同僚の先生方に「結婚して県外に行くので、年度末で退職させていただきます」と伝えました。
春休みに入る前まで、引継ぎが必要な業務をピックアップし、全ての引継ぎ資料を作成しました。
春休みに入ってから、引継ぎを丁寧に行い、自分の身の回りの物を整理しました。
引っ越しの準備などもあったため、3月31日の3日前から有給を取得して休み、31日付で退職しました。
退職を円滑に進めるためのポイント
管理職への相談と退職理由の伝え方
退職を決意した場合は、できるだけ早く管理職に相談することが重要です。
引継ぎや後任の先生を探すことなどを考えると3か月~1か月前までには伝えましょう。




事前に相談ができる日時を確認しておこう!
退職理由は正直に、しかし配慮をもって伝えることが大切です。
「家庭の事情」「キャリアチェンジ」「自己成長を目指して」など、あなた自身の理由を簡潔に伝えるとよいでしょう。
また、管理職や同僚に対して感謝の気持ちを示すことで、円満に退職する印象を与えます。
ただし、上司や同僚、学校に対する不満や批判的な理由はできるだけ避け、前向きな理由を伝えるほうがよいでしょう。
同僚への報告のタイミングと方法
管理職に退職する旨を伝えた後に、同僚へ報告するようにしましょう。
管理職から先に伝えることで、情報が適切に共有されて、混乱するのを避けることができます。
また、退職を決めたら少なくとも退職の1か月前には同僚に伝えるのが理想的です。
引継ぎや今後のサポートに関わることを考えると、早めに報告することが重要になってきます。




感謝の言葉も忘れずに伝えよう
周囲の反応への対処法
「退職する」と伝えたとき、周りから様々な反応が返ってくると思います。
その反応にどう対処するかは、その時の状況や相手によって変わりますが、いくつかの典型的な反応とその対処方法を紹介します。
①驚きや戸惑い
多くの人が退職の話に驚いたり戸惑ったりすると思います。
そんな時は、以下のように対処してみましょう。
- 落ち着いて、冷静に理由を伝える
- 詳細な理由を話したくないときは、簡潔に伝えて深く掘り下げないようにする
②引き止められる
もしかすると、管理職や同僚に引き止められる可能性も考えられます。
あなたの仕事ぶりを評価しているからこそだとは思いますが、こんなふうに対応してみてはどうでしょうか?
「ありがたい言葉をいただき、嬉しいです」と感謝しつつ、「私自身の決断なので、残りの期間も頑張ります」と自分の意思を尊重してもらうように伝える。
子どもたちへの配慮と伝え方
教員が退職する際、子供たちに伝えるのはとても大切で、慎重な配慮が必要です。注意すべきポイントをご紹介します。
伝えるタイミング
正式な決定後、子供たちに伝えるのが基本です。
1日の終わりに時間を取り、クラス全員が落ち着いて話を聞ける状況で伝えましょう。




落ち着いた環境づくりが大切!
伝え方のポイント
- シンプルで前向きな言葉を選ぶ
- 不安にさせない
- 感謝の気持ちを伝える
詳しい理由を話す必要はないので、「新たなチャレンジをすることに決めました」など、シンプルで前向きな言葉で伝えましょう。
また、「みんなのせいで辞めるわけではない」「今までありがとう」など、子供たちが安心できるような伝え方にするのもポイントです。




子供たちへの感謝も忘れずに!
引き継ぎの進め方と良好な人間関係の維持
引継ぎの進め方のポイントは以下の通りです。
- 引継ぎリストを作成する
- 引継ぎ資料をドキュメント化する
- 子供や保護者の配慮すべきことを伝える
まずは、自分の業務を洗い出し、引継ぎが必要な項目をすべてリストアップしましょう。
次に、口頭だけでは漏れが出やすいため、簡単なマニュアルやメモを作成してドキュメント化しておきましょう。
引継ぎ時は、子供や保護者で配慮すべき事項があれば必ず伝えておきましょう。




特にアレルギーや特別な支援が必要な子は要確認!
良好な人間関係を維持するためのポイントは以下の通りです。
- 感謝の気持ちを忘れない
- 批判や不満は避ける
- 最後の印象を大切にする
同僚の先生や子供、保護者には感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。
また、退職理由がネガティブなものでも、学校や同僚への批判的な発言はできるだけ避け、最後までよい関係を保つように意識しましょう。
そして、退職する最終日には同僚や子供たちに挨拶する場を設け、温かい言葉で締めくくると良い印象が残ります。




ポジティブで前向きにいることを心掛けて!
退職後のキャリアと生活設計
次の仕事は決まってからか、退職してからか
転職先が決まってから退職か、退職してから転職かはそれぞれにメリット・デメリットがあります。
転職先を決めてから退職する場合
退職してから転職先を探す場合
どちらを選ぶべきか?
自分に合った方法を見極めるポイント
転職先を決めてから退職がおすすめな人
- 家族や子供のために安定した収入が必要な人
- 無職期間を避けたい人
- 希望の転職先がすでに決まっている、または明確なビジョンがある人
退職してから転職がおすすめな人
- 心身の疲れが大きい人
- 自分のキャリアや人生を見つめ直したい人
- 貯金に余裕がある人
- ブランクがあっても問題ない人
退職後の収入と生活設計
退職後の収入や生活設計を考える際には、計画的に準備しておくことが大切です。
退職後の財入源の確保
退職金を受け取る場合、その受け取り時期や金額を事前に確認しましょう。
また、退職後の社会保険や年金の支払いがどうなるかを確認しましょう。
今まで学校側がやってくれた税金の支払いは自分でやらなければなりません。
税金を支払う分の貯金もしっかりとしておきましょう。




私も退職後、税金の支払いが多くてすごく大変でした
転職後の給与のタイミング
もし転職をする場合、転職後の給与が「当月支払い」か「翌月支払い」かを確認しておきましょう。
教員の給与は当月支払いのため、最後の給与の支払いが3月になります。
もし、翌月支払いの会社に転職した場合、4月に振り込まれるお給料がなくなってしまい、家計に影響が出るかもしれません。
事前に準備ができるように、転職を考えている人は給料の支払日についてよく見ておきましょう。
生活設計のポイント
退職後は収入が一時的に減少する可能性が高いです。
支出を抑える方法や貯金の計画を退職前からしっかりと考えておく必要があります。
また、退職後の生活が変わることで、精神的に不安定になりやすいです。
新しい環境に順応するために、生活リズムや人間関係を整えておきましょう。
スムーズな転職活動へのポイント
スムーズに転職活動を始めるためのポイントは以下の通りです。
- 自己分析をしっかり行う
- 自分の市場価値を知る
- 求人サイトに登録する
- 転職エージェントを活用する
自己分析をしっかり行う
教員として培ってきたスキルをリストアップし、自分の強みを整理しましょう。
そして、「なぜ転職したいのか」を明確にし、転職の目的をはっきりすることが重要です。
↓こちらの記事を参考にしてください。



自分の市場価値を知る
教員のスキルが活かせる業界を調べてみましょう。
また、自己分析やキャリア診断ツールなどを使って、自分に向いている仕事を見つけるのもおすすめです。
求人サイトに登録する
世の中にはどんな仕事があるのか知るためにも、求人サイトに登録してみましょう。
教員免許が活かせる職業や興味のある仕事が見つかるかもしれません。
↓こちらの記事を参考にしてください。



転職エージェントを活用する
「教員からの転職って何から始めればいいのか分からない」という方には、転職エージェントの活用をおすすめします。
面談を通して、自己分析からおすすめな転職先、職務経歴書の添削や面接練習まで、あらゆることを無料でサポートしてくれます。
転職エージェントに登録することが成功する転職の1番の近道と言えます。
↓こちらの記事を参考にしてください。






まとめ
今回は教員の退職に関するベストなタイミングや具体的な手続き、退職後のキャリアについて解説しました。
この記事を通して、少しでも退職しようと考えている教員の皆さんのお役に立てれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。