「教員って、世間知らずだよね」
こんなことを言われたことはありませんか?
はい。私のことです。
教員時代にこの言葉を言われてショックを受けた経験が今も引きずっています(笑)
はじめまして!
教員から民間企業に転職をして、現在はブログをメインに活動しています。
実は私、教員から一般企業に転職しようとした時
人材紹介のエージェントさんに冗談交じりでこう言われたんです。
「先生、世間知らずですねぇ(笑)」
その時の私は、「To C」「To B」という言葉の意味すら分からず、営業やマーケティングについても全く無知でした。(法人が会社のことを指すのを初めて知りました)
恥ずかしながら、当時28歳の私は、まさに「世間知らず」そのものだったんです。
でも、ちょっと待ってください。
本当に教員は「世間知らず」なんでしょうか?
確かに私は世間知らずでしたが、教員が世間知らずとは思っていません。
私たちは日々、子どもたちの未来のために全力を尽くしています。
保護者との連携や、地域社会との関わりも大切にしています。
それなのに、なぜ「世間知らず」と言われるのでしょうか?
この記事では、教員が「世間知らず」と言われる理由をとことん考えていきます。そして教員としての誇りを再確認しながら、教員として足りないものは何なのかも見ていきます。
さあ、一緒に「世間知らず」という言葉の真相に迫っていきましょう。
どうして教員は「世間知らず」と言われるの?
「世間知らず」
この言葉を聞いたとき、あなたはどんな気持ちになりますか?
怒り?悲しみ?それとも、「もしかしたら本当かも…」という不安?
私が思うに、この「世間知らず」という評価には、大きく分けて2つの理由があるように感じます。
学校と会社の世界の違い
まず1つ目の理由は、学校と会社の世界があまりにも違うということです。
完全な主観にはなりますが、「世間知らず」と教員のことを言う人の多くは、民間企業に勤めている方々だと思います。
彼らの目から見ると、学校という特殊な環境で働く私たち教員は、「普通の社会」を知らないように映るのでしょう。
でも、ちょっと待ってください。
「世間」って何でしょうか?
なぜビジネスの世界が「世間」の基準になっているのでしょうか?
実は、私たち教員を「世間知らず」と言う人こそ、教育の世界を知らない「世間知らず」なのかもしれません。お互いの世界を知らないからこそ、このようなレッテル貼りが起こってしまうのです。
就職活動や会社経験が少ない
2つ目の理由は、多くの教員が一般的な就職活動や民間企業での勤務経験がないということです。
教員になるためには教員採用試験を受けますが、一般的な就職活動とはかなり異なります。
そのため、「就活」の苦労や企業での働き方を経験していない教員が多いのは事実です。
ここで皮肉なのは、私たち教員が進路指導で生徒たちの就職について指導していることです。
「社会のことをよく知らないのに、どうやって指導できるの?」という批判の声も聞こえてきそうです。
確かに、校則を守ることが社会に出た時に役立つと教えながら、実際の社会経験が乏しいというのは、少し違和感があるかもしれません。
でも、ここで立ち止まって考えてみましょう。
学校は、まず何より学問を学ぶ場所です。そして、私たち教員は教育のプロフェッショナルです。
子どもたちの成長を支援し、学びを提供することが第一なのです。
確かに、一般企業の経験は少ないかもしれません。でも、だからこそ、私たちには独自の視点があるのです。それは決して劣っているわけではありません。ただ、違うだけなのです。
「世間知らず」という言葉について考えてみよう
「世間知らず」。この言葉を聞くたびに胸が痛む方も多いでしょう。でも、ここでちょっと立ち止まって、この言葉の本当の意味について考えてみましょう。
お互いを知らないからこそ言ってしまう
実は、「教員は世間知らず」と言う人こそ、教育現場のことをよく知らないのかもしれません。つまり、お互いの世界を知らないからこそ、このような言葉が飛び交うのです。
私が企業に転職して驚いたのは、多くの人が学校の現状をほとんど知らないということでした。「先生って、夏休みが多くていいよね」なんて言われたときは、思わず苦笑いしてしまいました。
逆に、教員時代の私は企業の仕組みをほとんど理解していませんでした。「なぜ利益を追求するんだ」と単純に考えていた自分が恥ずかしくなります。
つまり、「世間知らず」は相互の問題なのです。お互いの世界を理解しようとせず、自分の知っている世界だけが「世間」だと思い込んでいるのかもしれません。
学校と社会が求めるものの違い
もう一つ大切な点は、学校と企業が根本的に異なる目的を持っているということです。
学校は子どもたちの成長と学びを支援することを第一の目的としています。利益を追求するのではなく、未来を担う人材を育てることが私たちの仕事です。
一方、民間企業は利益を出し、事業を継続・拡大していくことが求められます。効率や生産性、マーケットシェアといった言葉が飛び交う世界です。
私たち教員は、目の前の利益だけでなく、未来を見据えた教育を行っています。それは決して「世間知らず」ではなく、むしろ真の意味で「世間」を理解し、よりよい社会を作ろうとしているのです。
企業が利益を追求するからこそ、経済は回り、新しい技術やサービスが生まれます。一方で、学校が利益だけでなく人間性や協調性を重視するからこそ、バランスの取れた社会人が育つのです。
「世間知らず」なのではありません。ただ、異なる役割を担っているだけなのです。
教員の良いところと会社での評価
私自身、民間企業に転職して初めて気づいたことがたくさんあります。ここでは、教員の強みと、それが実際の企業でどのように評価されるかを、より具体的にお話しします。
実は教員の仕事で身についているビジネススキル
資料作成能力
授業プリントをわかりやすく作る力は、そのまま企業での資料作成能力に直結します。複雑な内容を簡潔にまとめる力は、ビジネス文書作成で高く評価されます。
プレゼンテーション能力
パワーポイントを使って授業をしている先生方、実はすでにプレゼンのプロなんです!聞き手を引きつける話し方や、視覚的に情報を伝える力は、企業でのプレゼンで大いに役立ちます。
マネジメント力
学級担任として30人以上の子どもたちをまとめ上げる力は、まさにマネジメント力そのもの。子どもをまとめ上げるのは大人をまとめるよりも正直大変です。チームリーダーやプロジェクトマネージャーとしての素質は十分です。
営業力
多くの保護者面談をこなしてきた経験は、まさに営業のスキルです。相手の立場に立って話を聞き、適切なアドバイスをする力は、顧客との関係構築に直結します。難しい概念を子どもたちに分かりやすく説明する力は、ビジネスの場でも大変重宝されます。社内での情報共有や、顧客への製品説明など、様々な場面で活きてきます。
教員経験の具体的な活かし方
では、これらの能力は実際の企業でどのように評価されるのでしょうか。
私が実際に評価をいただいた具体例を見てみましょう。
企画書作成
「この企画書、とてもわかりやすいですね。さすが元教員!」と言われたことがあります。授業プリント作りの経験が、ビジネス文書作成に直結したのです。
新人研修での活躍
転職をしてすぐに「新人教育を任せたい」と上司に言われ、驚いたことがあります。分からないことを分かりやすく教えるプロなので、後輩への教育や人事の仕事も向いているかもしれません。
プロジェクトリーダーとしての評価
30人以上の子どもたちをまとめていた経験から、マネジメントの際もそこまで苦労することはありませんでした。学級経営の経験がこんなにも活きるのかと自信を持つことができました。
営業成績の向上
保護者対応の経験を活かして、クレーム対応はお手のものになってしまいました(笑)クレームのお客さんから見事アップセルの新規受注を勝ち取った経験や難しい顧客との関係改善に成功したこともあります。
プレゼンでの成功
「プレゼン上手ですね。パワポの使い方も素晴らしい」と褒められたことがあります。授業でのパワポ活用経験が、ビジネスプレゼンで活きたのです。
正直に言うと、転職当初は「KPI」や「PDCA」の真の意味を分からず、戸惑うことばかりでした。
しかし、学ぶ姿勢と教員時代に培った能力を活かすことで、徐々に仕事に慣れていくことができました。
あなたの経験や能力は、決して「世間知らず」なものではありません。むしろ、多くの企業が求めている貴重なスキルの宝庫なのです。
ただし、それを活かすには、自分の強みを理解し、それを適切に表現する必要があります。次では、「世間知らず」と言われないために、私たちができることについて考えていきましょう。
「世間知らず」と言われないためにできること
私は「世間知らず」と言われてから、社会の仕組みや経済の仕組みなど、ありとあらゆることを勉強しました。
というか転職を意識したことで興味を持ち始めたというのが正しいかもしれません。
そんな私が、教員時代に視野を広げるためにやっていたことをご紹介します。
社会のことをもっと知ろう
SNSで発信をしてみた
私自身、最初はX(旧Twitter)での発信から視野が広がっていきました。フォロワーを増やすためにバズる投稿を考えたり、教員同士で繋がることで、様々な意見に触れ、新しい視点を得られるました。もちろん匿名で身バレしないように気をつけてはいました。
noteやブログを始めてみた
実は、この「ゆとり転職」というブログは私が教員時代に始めたものなんです。えっ?転職もしてないのに転職ブログを始めたの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、当時は転職活動の記録としてスタート、今では副業として収益を上げられるレベルになりました。noteでは教育について発信をしていましたが、これが自分の考えを整理し、新しい知識を得るきっかけになりました。
ビジネス書を読んでみた
ビジネス書や自己啓発本は考えを変えるきっかけになるかもしれません。私も今までは教育に関係する本ばかり読んでいたのですが、ビジネス書を読んだことで新しい視点が得られました!
私が一番最初に買ったビジネス書も載せておきますね!
もしも読んだことがない人がいたら是非!私は紙で読みました!
自分を高める方法
資格取得にチャレンジする
私自身、TOEICの勉強をしたり、簿記2級を取得したりしました。特に簿記2級は取って本当に良かったです!
転職をする時は資格としても強いですし、何より勉強したことが今でも活きまくってヤバイです!
もし何から始めればいいか分からないという人がいれば簿記3級から勉強を始めるのはオススメです!
この参考書がオススメです!
プログラミングや動画編集のスクールに入ってみる
私は教員時代に本の要約YouTubeを顔出ししないで始めてみました。これが、ITスキルを学ぶきっかけになりました。プログラミングスクールに通うのも良いと思います。
私も今教員に戻るなら、プログラミングを学んで、将来の転職や副業の可能性を広げるかなと思います。
私が視野を広げるきっかけとなった元祖ビジネス系YouTuberである「マコなり社長」
マコなり社長に触発されて、ブログ、資格取得にも興味を持ち始めたんです。
もし、資格取得よりももっとガッツリスキルを高めていきたいという方はマコなり社長が作った「未経験から学べるエンジニアスクール【テックキャンプ】
新しいことを学ぶ姿勢があれば、「世間知らず」どころか、むしろ魅力的な人材になれるのです。
学校の外に目を向けるようになると、私のように転職をして民間企業の世界も知りたくなる人も出てくるかもしれません。
次は実際に私が教員から転職をした時のお話をしたいと思います。転職を考えている方は、参考にしてみてください。
教員の転職は大変だった
正直に言うと、教員からの転職活動は想像以上に大変でした。
基本的に教員はスキルなしの未経験扱い
私は6年間教員をしてきました。しかし、民間へ転職をする際にはビジネス経験ゼロの未経験として扱われます。経験だけを見れば新卒とほぼ同じ…。異業種に転職をするということは相応の覚悟が必要になります。長年の努力が一瞬で否定された気分で、自己肯定感が大きく揺らぎました。
書類は100社以上も落ちた
毎日のように送る応募書類。そして届く断りのメール。100社を超えた頃には、メールを開くのが怖くなっていました。「自分には価値がないのかも…」そんな思いが頭をよぎり、ストレスで髪の毛が少しだけ薄くなったのを覚えています。
ビジネス用語の壁
面接で「実際の業務でLTVやKPIについてどう考えていきますか?」と聞かれ、頭が真っ白になりました。「K…何ですか?」と聞き返すのも恥ずかしく、ただ黙ってしまいました。
教員の経験を上手く変換できず挫折
「私の強みは…」と聞かれて、言葉に詰まる自分がいました。「生徒の成長を支援できます」なんて答えても、面接官の表情が曇るのは当たり前。何度も何度も面接に落ち、自分の無力さに絶望しそうになりました。周りに相談できる人もおらず、絶望で夜も眠れない日が少なくありませんでした。
年齢のハードル
「28歳ですか…」という面接官の言葉に、心臓が締め付けられる思いでした。もう少し若ければ第二新卒として未経験可能の求人もたくさんあったんですけどね。年齢によるハードルは思ったよりもありました。
転職エージェントを利用した
正直、最初は「自分一人でできる」と思っていましたが、現実は厳しかったです。エージェントに相談する決心をするまでに、かなりのプライドとの戦いがありました。「教員なのに、人に頼らないといけないのか」という後ろめたさもありました。もっと早く気づくべきだった。教員だからこそプライドを捨てて、自分の未熟さを認めた上でプロに相談しながら、正しい手順で転職活動をするべきだったと気づくまで3ヶ月かかりました(笑)
教員におすすめの転職サイトも参考にしてください!
この転職活動は、私の人生で最も辛く、同時に成長できた時期でもありました。
何度も挫折しそうになりました。今振り返ると、この経験が私を大きく成長させてくれたと感じています。
教員と民間企業の両方経験してわかったこと
教員の仕事は楽しかった
正直に言うと、今でも教壇に立っていた頃を懐かしく思い出すことがあります。子どもたちとの触れ合いや、同僚との絆は何物にも代えがたいものでした。企業で働き始めて、ふと思い出すのは生徒たちの笑顔です。「先生、わかった!」という瞬間の輝く目。あの感動は、数字では測れない価値があります。
社会に直接貢献できる実感
利益を追求する企業とは違い、教育は次世代を育てる崇高な仕事です。今の仕事と比べると、社会への直接的な貢献度は教員の方が高いと感じることもあります。企業では顧客満足度を追求しますが、教員は生徒の人生そのものに影響を与えられます。この責任の重さと喜びは、他の職業では味わえないものかもしれません。
長期的な視点で仕事ができる
企業では四半期ごとの数字に追われがちですが、教育は子どもたちの人生全体を見据えた仕事です。この長期的な視点は、実は非常に貴重なものだと気づきました。また、企業で働いてみて、改めて教員の仕事のやりがいの大きさに気づきました。数値化できない「人の成長」に関われることの素晴らしさを、今更ながら実感しています。
仕事の自由度が高い
授業の進め方や学級経営など、教員には意外と裁量権が多いのです。企業の方が意外と規則に縛られていると感じることもあります。
教員の仕事には、他の職業にはない独特の魅力と価値があります。「世間知らず」なんて言葉に惑わされる必要はありません。
ただし、新しい挑戦をしたいと思うのも自然なことです。
教員を続けるか、それとも新しい道を探るか、その選択について考えてみましょう。
これからの人生を考えよう
ここまで、教員の素晴らしさと転職の可能性について語ってきました。では、これからどうすればいいのでしょうか?ここでは、教員を続ける道と新しい挑戦をする道、両方の可能性について考えてみましょう。
教員を続ける道
誇りを持って続ける
教育は社会の根幹を支える重要な仕事です。自信と誇りを持って続けることは、とても価値のある選択です。
専門性を高めて新しい教育方法にも挑戦
教科の専門性を高めたり、特別支援や ICT 教育などの新しい分野にチャレンジしたりすることで、さらにやりがいを感じられるかもしれません。新しい教育方法を積極的に取り入れることで、教育者としての成長を続けられます。
リーダーシップを発揮する
学年主任や教頭、校長といった立場で、より大きな影響力を持つこともできます。学校全体、さらには教育行政にも関わっていく可能性があります。
資格取得やブログ運営などで視野を広げる
教員としての仕事をやりながら、全く新しいものにチャレンジしてみるのを良いと思います。簿記や動画編集、プログラミングなどを勉強することで、一気に視野が広がります。
教員から転職する道
今のままだと教員としての仕事に誇りが持てないという過去の私のような人は転職をしてみることをオススメします!
結果として教員の魅力に気づいて、また教員に戻るのも一つの選択肢です。
そして超個人的には教員とは全く別の業界や職種にチャレンジしてみるのも良いかと思っています。というのも実際に私が全く別の業界・職種に転職をしたことで自分の可能性が思いっきり広がったからです。
教員経験を活かしつつ、ビジネスの世界で活躍できる職種として、無形商材の法人営業がおすすめです。
特に以下の3つの業界が注目です。
IT業界(特にSaaS系)の法人営業
- 教育現場でのICT活用経験が活きる
- 論理的説明力や企画力が評価される
人材業界の法人営業
- 人材育成や教育に関する知識が強み
- コミュニケーション能力や人間理解力が活かせる
広告業界の法人営業
- 創造力や企画力が求められる
- プレゼンテーション能力が重視される
教員から転職をする際は是非「ゆとり転職」で無料でガンガンノウハウを学んでいってください!
まとめ:教員は世間知らずということに惑わされるな!
どちらの道を選ぶにせよ、大切なのは自分自身と向き合うことです。「世間知らず」という言葉に惑わされず、自分の価値観や目標と向き合ってください。
教員を続ける道を選んだ方も、転職を決意した方も、それぞれの道に価値があります。教員としての経験は、どんな道に進んでも必ず活きてきます。
私自身、教員から転職しましたが、今でも教育の世界に関わり続けています。
それは、教育が純粋に好きだからです。もしかすると数年後には学校現場に戻っているかもしれません(笑)
あなたの輝かしい未来を心から応援しています!
ありがとうございました!